当面、底堅く推移 2023年06月14日 14時43分

ニッセイ基礎研究所上席エコノミスト上野剛志氏
 日本株は当面、底堅く推移するだろう。7~8月にかけて米国の利上げ停止を確信できれば、上昇圧力が高まる。その後、米景気の後退色が強まり日経平均株価はいったん3万円程度に調整するが、年末には3万2000円程度に持ち直すと予想する。
 日本はコロナ禍からの経済活動再開が欧米より遅れた関係で、伸びしろへの期待が高い。日銀の金融緩和が長期化するとの観測に伴う円安や東証による企業への資本効率改善要請、賃上げの広がりに加え、中国への投資のしづらさも日本株が選ばれる要因となっている。
 ただ、夏以降は米景気の行方が懸念材料となる。利上げの累積的な影響や融資基準の厳格化による信用収縮で米景気が悪化すれば、日本への波及は避けられない。
 とはいえ、米景気の後退は緩やかで、年末ごろには利下げもテーマとなる。景気が下支えされるとの期待感が強まれば、株価は持ち直すだろう。

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