騰勢一服へ 2023年05月22日 14時51分
第一生命保険国内株式課長・田中大介氏
日経平均株価は今後、騰勢が一服し、9月末までに2万8000円程度まで下落する場面があると想定している。
最近の株価は、訪日客の復調による需要回復、「解散価値割れ」企業に対する東証の改善要請、日銀の植田和男総裁が示した緩和政策の継続姿勢などを背景に、海外投資家の買い意欲が強まり上昇。日経平均はバブル崩壊後の戻り高値を更新した。
しかし、上昇スピードが速い上、不安要素も依然多い。米国の地方銀行破綻による信用不安は解消されているが、米当局による地銀への規制強化の動きがある。大手行並みの規制がかかれば、貸し渋りにつながり、米景気を冷やす要因になりかねないため、今後の行方には注意が必要だ。
また、米金融政策の転換点も近づいている。利下げを織り込む局面になれば、円高が進む恐れがあり、国内企業の業績見通しに不透明感が強まることも想定される。