高値は長く続かず 2023年05月18日 14時41分

ニッセイ基礎研究所主任研究員・前山裕亮氏
 足元の株価は好材料だけに注目した「いいとこ取り」で上がっており、長くは続かないとみる。日経平均株価は今年秋ごろまで2万6000~2万9000円のボックス圏となるのではないか。
 コロナ対策の行動規制緩和でインバウンド(訪日客)需要が復活しているが、日本株全体を支えるには力不足だ。米著名投資家バフェット氏による日本株投資に海外勢が追随する可能性も指摘されているが、こうした資金は動きも速く継続的な買いが入るか不透明だ。
 東証が株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業に対し改善を要請したが、時間がかかる話だし、長期的に取り組まないと難しい。日銀の金融緩和政策は今後修正される可能性があり、為替が円高に振れる懸念もある。
 また、米国のインフレは期待通り収まるか分からない。日米の企業業績は警戒していたほど悪くなかったが、底を打って改善するかは現時点で判断できない。株価は高い割に懸念材料が大き過ぎ、いずれ下落するだろう。

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