期待先行で上昇 2023年05月17日 15時29分
三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏
日経平均株価は17日に3万円を超え、目先は2021年9月に付けた高値3万0670円を意識した動きになる。ただ、これまで海外勢が主導し期待先行で上昇してきただけに、今後、期待がしぼむリスクには注意が必要だ。
海外投資家が日本株に積極的な背景には、東証が3月末に資本効率を意識した経営を企業に要求したことや、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株追加投資がある。また、コロナ対策の緩和に伴い訪日客が急増し、日銀の金融緩和継続も確認されるなど、日本固有の好材料が重なり一気に買いに動いた。
今後も上昇が続くかどうかは、米国の景気減速の程度に関する明るい見通しや日本企業の構造改革が進むかなどの追加的な材料が早々に出てくるかによるところが大きい。6月の株主総会に向けて企業が一時しのぎの自社株買いにとどまらず、継続的な価値向上策を打ち出してくれば、株価の後押しになる。