金融システム不安が重し 2023年03月29日 14時19分

日本資産運用基盤グループ・ディレクター白滝俊之氏
 新年度入りを控え、株式市場は内需の復調期待や機関投資家、インデックスファンドなどによる3月期末配当の再投資が需給面での下支え要因となる。その一方で、欧米の金融システム不安が引き続き相場の重しとなる展開を見込む。
 日経平均株価は、6月末まで2万5000~2万8000円で推移するだろう。年末にかけては、半導体市況の底打ちや米利上げサイクルの終了を確認後、米国株の上昇にけん引される形で3万1000円を目指すと予想する。
 4月27、28両日、日銀の植田和男新総裁体制下で初めて開かれる金融政策決定会合に注目するが、政策変更はないだろう。短期的には欧米の銀行不安が相場に与える影響が大きいため、短期金利が長期金利を上回る逆イールド化が進む欧州圏の金融システム不安の長期化がリスク要因と考える。リスクが顕在化すれば、日経平均は2万3500円に下落する可能性がある。

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