波乱越え後半回復 2023年02月08日 15時36分

野村証券シニア・ストラテジスト小高貴久氏
 今年の株式市場は前半の波乱材料を乗り越え、後半から回復に向かうだろう。年末の日経平均株価の見通しは3万円と予想する。
 先日公表された東京都区部の消費者物価指数は上昇が一段と加速した。これから食品価格や電力料金が上がる恐れもあり、物価と金利が上昇する懸念がある。また、新たな日銀総裁の誕生に伴って「利回り曲線(イールドカーブ)」の形状がゆがんでいる問題が修正に向かった場合も、金利が上がる可能性がある。そうした金融市場のボラティリティー(変動性)がこの先高まりそうな局面で、株価の上値は抑えられるのではないか。
 ただ、年半ばになると、米国で企業業績の増益見通しが見え、株価がしっかりとしてくるだろう。利上げが終了して市場心理も好転してくる。国内でも外需の回復に伴う企業業績の改善が見込めるようになり、株価上昇の勢いが強まるとみる。

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