楽観先行、目先上昇も 2023年02月02日 14時39分

極東証券経済研究所社長・佐藤俊郎氏
 株式市場は年明け以降、米国のインフレの落ち着きなどを眺めて、やや過度に楽観に傾いている。この流れから、日経平均株価は今月半ばにかけ2万8500円程度に上昇する可能性がある。
 市場では、春にかけ米利上げが終了に向かうとの期待がある一方、日銀が黒田東彦総裁の退任後、新総裁の下で長短金利操作の一段の修正に取り組むとの見方が強まりそうだ。中国経済については回復期待がやや膨らみ過ぎていると懸念される。
 国内企業の決算は、内需関連が経済活動再開を背景に堅調な一方で、民生用電気機器や電子部品は中国経済の混乱もあり低調だ。楽観の行き過ぎが修正され、日経平均は年度内に2万6000円程度まで下落する場面もありそうだ。
 インフレで社会的要請が強まっている賃上げは、短期的には人件費の増加を通じて利益の押し下げ要因となる。相場が好材料一辺倒でないことには留意が必要だ。

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