米利上げ、市場動向を注視=「悪い物価上昇」加速も―日銀 2022年01月27日 18時01分

 米国が3月に利上げする公算が大きくなったことを受け、日銀は株価や円相場など市場の動向を注視する構えだ。原油など原材料価格が高騰する中、日米金利差拡大から円安が進めば輸入価格がさらに上昇。賃金上昇を伴わない「悪い物価上昇」が加速する恐れがある。
 「利上げはまったく考えられない」。黒田東彦日銀総裁は18日の記者会見で、米国に追随する形での早期利上げを否定した。
 ただ、世界的に強まるインフレ圧力は、日本でも企業間取引で顕著となっている。今後、消費者物価への波及が焦点となるが、日銀内では「4月以降、瞬間風速的に2%に近い水準まで上昇する可能性がある」(政策委員)との見方が浮上。今春に携帯電話通信料引き下げの影響が剥落すれば、物価は日銀が目標に掲げる2%への接近が見込まれている。
 物価上昇が加速する一方で、賃金が伸び悩むと、経済のけん引役が期待されている個人消費は冷え込みかねない。また、サービス関連を中心に中小企業がコスト増を販売価格に転嫁できなければ、収益は悪化する。
 黒田総裁は25日の衆院予算委員会で、最近の原材料高の中小企業への影響について「非常に警戒している」と語った。今後、「悪い物価上昇」が加速すれば、日銀に金融政策見直しなどの対応を求める声が強まる可能性がある。 

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