不適切受給、最大6.8億円=「GoTo」でHIS子会社―第三者委 2021年12月24日 16時08分

エイチ・アイ・エス(HIS)子会社による「Go To トラベル」をめぐる不正受給疑惑で、記者会見するHISの沢田秀雄会長兼社長(右から2人目)ら=24日午後、東京都港区
エイチ・アイ・エス(HIS)子会社による「Go To トラベル」をめぐる不正受給疑惑で、記者会見するHISの沢田秀雄会長兼社長(右から2人目)ら=24日午後、東京都港区

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」に関する旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)グループの不正疑惑で、同社が設置した第三者委員会(委員長・荒竹純一弁護士)は24日、調査結果を公表した。それによると、HISの子会社2社が受け取った不適切な給付金やクーポンの合計は、最大で6億8000万円程度に上ることが明らかになった。
 HISの沢田秀雄会長兼社長は調査結果を受けて記者会見し、「関係者に迷惑をお掛けし申し訳ない」と陳謝。観光庁と協議した上で不適切な受給額を返還し、今後は両子会社のトラベル事業申請を見合わせる意向を示した。HISについては、不正がなかったことを理由に引き続き同事業の活用を目指す。
 不適切な受給が判明したのは、HIS傘下のジャパンホリデートラベル(大阪市)とミキ・ツーリスト(東京)。いずれも、2016年までHIS社長だった平林朗氏が社長を務めるホテル運営のJHAT(ジェイハット、東京)が関与していた。荒竹委員長は会見で、両子会社に対して平林氏の「影響力があったように感じる」と指摘した。一方で、両社以外のHISグループ会社で不正は確認できなかったと説明した。
 斉藤鉄夫国土交通相は24日夜、「給付金の不正受給は許されるものではない」との声明を出し、事実関係を精査した上で両子会社とJHATの3社に返還請求を行う意向を表明した。 

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エイチ・アイ・エス(HIS)子会社による「Go To トラベル」をめぐる不正受給疑惑で記者会見する第三者委員会の荒竹純一委員長=24日午後、東京都港区
エイチ・アイ・エス(HIS)子会社による「Go To トラベル」をめぐる不正受給疑惑で記者会見する第三者委員会の荒竹純一委員長=24日午後、東京都港区

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