〔東京外為〕ドル、142円台前半=米中摩擦激化懸念で大幅安(16日午後5時) 2025年04月16日 17時03分
16日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米中貿易摩擦の激化懸念が強まり、1ドル=142円台前半に大幅下落した。午後5時現在、142円10~10銭と前日(午後5時、143円29~31銭)比1円19銭の大幅ドル安・円高。
前日の欧米時間は、中国政府が国内航空会社に対し、米航空機大手ボーイングから航空機の追加納入を一切受けないよう指示したと報じられ、米中貿易摩擦の激化懸念が広がったことなどを受け、143円台半ばから142円台半ばに水準を切り下げた。その後はやや買い戻され、143円台前半で推移した。
東京時間午前は、日経平均株価の下落や時間外取引の米長期金利低下などを眺め、143円台前半から142円台後半にじりじりと値を下げた。仲値公示に向けては「国内輸入企業によるドル買い・円売りがやや優勢だった」(外為仲介業者)といい、いったん143円前後まで回復した。
ただ、米半導体大手エヌビディアは中国向けに設計した人工知能(AI)半導体「H20」が米政府の輸出規制対象になったと発表。トランプ米政権が貿易相手国に中国との取引を制限するよう圧力をかける方針だと一部メディアが報じ、「米中貿易摩擦の激化懸念が再燃した」(邦銀)ことなどから、午後に日経平均の下げ幅が拡大し、ドル円も142円台後半から前半へ下落した。
日本時間17日には米関税措置を巡る日米交渉担当閣僚の初協議が予定され、「円安是正を求められるとの見方があることもドル円の重しになった」(同)とみられる。
ユーロは対円で下落、対ドルでは上昇。午後5時現在、1ユーロ=161円74~75銭(前日午後5時、162円74~77銭)、対ドルでは1.1387~1388ドル(同1.1357~1357ドル)。