〔米株式〕NYダウ続落、99ドル安=ナスダックも安い(13日午前) 2025年03月13日 23時27分

 【ニューヨーク時事】13日午前のニューヨーク株式相場は、続落している。トランプ米大統領が欧州連合(EU)製ワインに200%の関税を課す意向を示したことで、激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念が広がった。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時10分現在、前日終値比99.78ドル安の4万1251.15ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は179.90ポイント安の1万7468.55。
 トランプ大統領は13日、SNSに投稿し、EUが米国産ウイスキーへの報復関税導入の方針を即座に撤回しなければ、「EUからのワイン、シャンパンなど酒類に近く200%の関税を課すだろう」と表明。EUは、米政権が12日発動した鉄鋼・アルミニウムへの25%の追加関税への対抗策として、4月1日からウイスキーを含む米国産品に追加関税を課すと発表していた。米高関税政策の影響で世界経済の成長が減速するとの懸念が改めて広がる中、ダウは売り先行で始まり、一時230ドル余り下落した。
 米労働省が朝方発表した2月の卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいと、前年同月比では3.2%上昇と、いずれも市場予想を下回った。エネルギーと食料品を除いたコア指数は前月比0.1%低下と、予想の0.3%上昇を下回った。前年同月比では、3.4%上昇した。PPIは前日発表の米消費者物価指数(CPI)と併せて、インフレ再燃による景気鈍化懸念を和らげる内容だったため、株価の下げ幅は抑えられている。
 このほか、新規失業保険申請件数(8日までの1週間)が前週比2000件減の22万件(市場予想22万5000件=ロイター通信調べ)と、2週連続で改善したことも投資家心理に一定の安心感をもたらしたもようだ。
 個別銘柄では、セールスフォース・ドットコムが3%超安、アマゾン・ドット・コムが2%となり、ダウ平均の下げを先導。半面、メルク、ベライゾン・コミュニケーションズ、トラベラーズがいずれも2%超上伸している。ハイテク関連銘柄では、最高経営責任者(CEO)人事が好感されたインテルが16%超高と急騰。アドビは市場予想を下回る業績見通しが嫌気され、10%下落している。

注目ニュース